こんにちは。事務局のひっしーです。今回もトムソーヤクラブで活躍するリーダーをインタビュー形式でご紹介します!第2回のゲストは前回「おにぃ」の話にも出てきた、ベテランリーダーの「ドラミ」です!よろしくお願いします。パチパチパチ
訳あって、顔出しNGです。
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ひっしー(以下H):さっそくだけど、リーダー歴何年目ですか?
ドラミ(以下D):今年でなんと10年目なんです。めでたい良い年。
H:そうだっけ。もう10年!すごい!ありがとうございます。それで、リーダーをやるきっかけってなんだったの?
D:学校で同じクラスになった友達が誘ってくれました。5、6人は一緒に入ったと思うけど、リーダーを続けたのは僕だけだった。
H:そうだった。ドラミだけだった。相性ってあるんだよ。
H:そもそもなんでドラミというキャンプネームになったの?
D:ココリコの遠藤章造さん似→千秋さん→声優として担当→ドラミという連想ゲームみたいな流れで先輩リーダーがつけてくれました。今でも、キャンプネームで呼ばれるのはうれしいし、ドラミであることに誇りを感じてますね。
H:リーダーを続けている理由、やりがいってなに?
D:今は小学校の教員をしながら、トムソーヤクラブにも関われて、仕事とトムはどっちもいい関係性がある。仕事で学んだことをトムソーヤクラブで活かせるし、トムソーヤクラブで経験したことを仕事でも活かせている。うまい具合に関連している。教員一本でやってたら、今の自分の先生観というか日々の子どもたちの接し方はなかった。つまんない先生になってたと思う。確かに社会人になったしリーダー辞めようとかも思ったけど、得られるものが多いと実感してからは、できるかぎり続けていきたいと思ってます。
H:作用しあっているってことかな。事務局としては、ドラミが現場の話を踏まえて、リーダーミーティングでわかりやすく講義してくれたり、リーダーにアドバイスしてくれているのはとても助かってるよ。ありがとう。
D:実はその経験も僕にとってはすごくプラスになっています。あの講座もアウトプットの経験になっているし、誰かに話をさせてもらえる機会があるのは、いろんな経験や知識を整理できて、やりがいを感じてます。
H:まさにラーニングピラミッドだね。人に何か伝えるまで落とし込んで初めて身になるってことかな。
D:そうですね。こういう機会はトムソーヤクラブならではだと思います。また講座やります!
H:堅苦しい話から始まっちゃったけど、リーダーとして参加した最初のキャンプのこと、覚えてる?
D:覚えています。すごく覚えてます。10年やってたくさんキャンプの本数は重ねてきたけど、やっぱり、最初のキャンプは、鮮明に覚えています。どの活動も新鮮で刺激的だったし、グループの子どもの顔も浮かぶし、リーダーも思い出すし、どんな雰囲気だったかまでも覚えてます。あの時の参加者が今でも関わってくれるのはうれしいですね。あと、解散後の夜の反省会のことも。
H:へー、何があったの?
D:ちょっとここではお話できません。よく覚えてるけど。
H:え!そこが気になるのに!まぁ、そこはオフレコにしておきましょう。それにしても、最初ってすごいインパクトがあるんだね。
D:自分の年齢とかポジティブな性格も影響していると思いますけど、あのキャンプでいろいろ考えて判断したり行動したことがうまくいったなって印象があります。その成功体験が次につながってるような気がします。あの時、失敗したなーって思ってへこんでたら、次の年は来なかったかも。
H:自分が経験したことをうまくいったな、成功したなって評価にできるって大切だね。それが自信にもつながるし。
D:そうですね。学生だった頃、最初の2、3年くらいは「キャンプたのしい」「こどもと一緒にいるのがすき」「山、最高!川、最高!」が大きかったですね。先生になってからは、キャンプが子どもに与える影響に目が行くようになったし、教育的価値が大きいと気づけた。自分が行くキャンプを良くしたいって思うようになって、次はこうしよう、次は、って積み重なって10年続いてた感じですね。
H:なるほどね。これまでたくさんキャンプに入ってくれてたわけだけど、その中で印象に残っている事、思い出ってどんなこと?
D:もちろん、キャンプ中の事もたくさん印象に残っていますけど、中でも最終日、解散の時の印象は大きいですね。バスを降りて親と再会して帰っていくまでの子どもたちの様子を見るのが好きなんです。みんなとの別れが惜しくてさびしそうな顔だったり、楽しかった!って満足そうな顔だったり、親とあえてホッと安心して嬉しそうな顔だったり、たまに、あんまり満足しなかったのかな、っていう顔を見つけたり。僕たちリーダーの役割って、この不満げな顔を少しでも減らして、満足そうな顔や別れを惜しむさびしそうな顔を増やすことなのかなって思っています。
H:それ、いいね。たしかに解散のいい表情をみてホッとすることあるなぁ。
D:いいですよね。解散シーン。僕は自分が行ってないキャンプでも時間が合えばお迎えに行ってましたから。解散の子どもたちの様子で、そのキャンプがどんな雰囲気だったのかもわかるんです。ほんといいキャンプだったんだろうなって伝わってきますから。あ、反省会でリーダーと飲みたいってのもあったけど。笑
H:キャンプでの子どもたちの変化とか成長ってどうみてますか?
D:キャンプの中では、変化を感じることはたくさんあるけど、成長したね!ってはっきりわかることはほとんどなくて、それは保護者とか先生とかキャンプ前後を見ている人でないと気づきにくいんじゃないですかね。
H:それはそうだね。
D:キャンプ中、たとえば、最初はグループになじめない子が最終日にみんなと仲良く遊んでいる姿をみたり、周りと協力できるようになったりする変化は、成長へのきっかけだとは思います。
キャンプではなかなか感じられない成長ですが、学校現場では夏休み明けに会う子どもたちの成長ぶりに毎年驚かされてますよ。
H:へ~。そこはキャンプリーダーには見えない部分だから、ぜひ知りたいね。
D:例えば、いろいろ指導とか支援をしてたけど、全く片付けができなかった子が、夏休み明けには、あっさりできるようになってて驚いたことがあったんです。何があったか聞いたら、子どもキャンプに参加してそこの先生に褒められたからだって。こっちは拍子抜け。
H:それがトムソーヤクラブのキャンプじゃないのは悔しいけど、子どもキャンプにはそういう化学反応が起こることがあるんだねぇ。意図的な働きかけだけじゃなくて、ふとした刺激で一気に変わるとか。
D:そうですね。ありますね。キャンプに限った事ではないですけど、カリキュラムに沿った指導や支援をする学校と違って、子どもたちは長期の休みで、自由に自分で判断して、やりたいコトにチャレンジして、失敗して、成功して、をくりかえしているんだと思います。だから、休み明けの子どもたちは大きく変わって見えるんでしょうね。
H:リーダー活動がドラミ自身の考え方に影響していることってある?ふりかえっての気づきというか。
D:ふりかえってみると、教員やりながらなので、だからこそ、子どもに求めるものがおおきくなったなと思います。学校ではもっとできているでしょ、って。友だちと仲良くするとか、主体的に動く、人の表情みて、思いやりをもって行動しようとか。学校で普段からやっているハズのことが、キャンプでできないっておかしいな、って思います。
H:キャンプだと、本気出さず、手を抜くというか、猫をかぶってる?
D:そう、猫かぶってる!あと、めちゃめちゃオフにしている子。初めての環境で出方を伺うというかまわりをみるというのはあると思うんですが、ここでこそ、学校での学びを活かしてほしい!自分を出していこうよって思うんですよ。リーダーからなにかやってもらう、声をかけてもらうとか受け身じゃなくて、自分から積極的に動くことでもっと楽しむことができるでしょ。学校では係活動とか、自由時間でこうしたいとか先生に提案してるはず。そういう視点をもって、参加者と関わるようになりましたね。
H:その視点って大事だよね。リーダーにもその視点もってほしいね。キャンプでは、参加者に自分の殻を破って、一歩踏み出そう、そこでみえる世界に触れてほしいと思ってるけど、参加者のペースに合わせると小さくまとまるというか、「(たのしいけど)こんなもんかな」という感じでキャンプの期待値を越えられない。いい意味で期待を裏切るためにリーダーには、参加者の守りに入っているところを引っ張り出すというか、つついてほしいよね。
D:つついてほしいし、後押しするイメージですかね。「もっとやっていいよ。」ってきっかけを待っている子はたくさんいると思います。反対にキャンプだからってさらけ出しすぎの子もたまにいますけど。笑。仕事でもトムでも、いろんな子を見て接してきた分、どんな傾向の子か分析するようになりましたし、関わり方のレパートリーは増えましたね。
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H:最後に、これからリーダーをやってみようと思っているリーダー希望者や後輩のリーダーたちへのメッセージをお願いします。
D:なにより一番は、もっと日本旅行を、トムソーヤクラブを利用しなよって思います。たとえば、毎月のミーティング会場や配布資料もタダじゃないですよね。あと、キャンプをリーダーが企画するってありましたよね?
D:あるよ。企画造成ね。白州でのたき火キャンプとか、八丈島のキャンプとか、リーダー発案で旅行商品として発売、実施したツアーは何度かあるね。
D:そうですよ。それって、ほんとに他じゃ絶対できないことですよ。そういう経験ができるトムソーヤクラブってすごいです。あと、なにより、年の離れた人と仲良くなれることもないですから。仲良くというか、対等に話ができる関係って社会に出てもなかなかつくれないし。
H:たしかにね。20前後の学生と、30代、40代の人(もっと上の世代も)が議論したり、キャンプしたりは、一般的には少ないんだろうね。私は20年くらいこういう業界で仕事してきたからわからなくなってきたけど。貴重だね。
D:この10年、トムに関わって、確かにしんどかったり、辞めようかなって思ったりしたこともありました。けど、大変な分、自分にかえってくることも大きいって感じてます。リーダーは教員志望の人が多いけど、教員を目指している人以外でも得られることはたくさんあると思います。社会に出たら、人を動かすこと、絶対あるじゃないですか。キャンプでは、グループリーダーとして、初めて会う8人の子どもと一緒に活動、生活するわけで、どうやってみんなの希望を叶えるか、スムーズに活動を進めるか、一人ひとりと向き合って、サポートしたり、相手は子供でも、小さな組織、経営ですよね。人を動かすことを経験できるってすごいことですよ。
H:グループ運営は、まさにチームマネジメントだもんね。リーダーの個性が出るし。
D:そうです。あと、プログラムリーダーとして、全体を進行したり、裏方やったり、一つ一つのグループをフォローしたりする経験のは、いわゆるアルバイトだけでは得られないんじゃないですかね。いいキャンプにするために、意見交換したり、全力でぶつかり合う、時には村長(責任者)とも。そういう経験は、ほんとにいい刺激になります。
H:たしかに。経験の浅いリーダーには失敗を恐れず、いろんな経験をしてほしいですね。
D:そうですね。あと、特に学校現場で感じることは、子どもたちは、おにいさん、おねえさんを求めてるってことですね。先生でもなく、親でもない人と関わることが子どもたちにいろんな刺激になってます。僕も30代になり、親世代と近くなってきて子どもとの距離感というか関係性は変わってきたと感じてます。学校にボランティアで関わってくれているリーダーたちの人気ぶりにはかなわないというか。その場にいないのに、あの時こうだったとか、こうしてくれたとか話題に出てきて、子どもに深く印象付けられているのがわかるんです。そういう人間関係の中から気づくことがたくさんあるんだと思います。
H:斜めの関係ってやつだね。子どもにとっても、リーダーにとっても世代間交流は新しい気づきや刺激を与えてくれるからね。リーダーにはトムのキャンプ以外にも積極的に外で活動してもらいたいね。事務局からそうした場を紹介できるし。そろそろ、
D:あ、最後に一つ、言い忘れてたことがあるんでいいですか?
H:どうぞ!
D:おにぃのリーダー紹介を読んで、自分の名前が挙がってて、うれしかった。参加者に影響を与えていたってことがうれしかったです。一生懸命にキャンプに関わっててよかった。おにぃ、ありがとう。
―ありがとうございました。
2021年5月20日 オンラインにて
聴き手:事務局 ひっしー
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トムソーヤクラブ・リーダーのご紹介 vol.7