秋のめぐみ

秋のめぐみ

<トムソーヤクラブ通信 Vol.79、2005/12/01、ふれあいランドより転載>

■どぶろく祭り
10月末、山装う秋の飛騨・白川郷を訪ねた。到着した日の晩、地元の方々を交えての乾杯のときに聞くと「あと一週間早ければ”どぶろく祭り”を楽しんでいただけたのですが・・・」と、見逃せない情報。

白川村では「庄川」上流側にある集落の神社「白川八幡宮」から下流の神社「鳩谷八幡神社」、「飯島八幡神社」へと順に2日間ずつ”どぶろく祭り”が催され、この間それぞれの神社で御神酒”どぶろく”が振舞われるとのこと。

毎年、大寒の入り(1月下旬)に各神社ごとに仕込まれるため、三社で味わいは異なり
この味くらべを楽しみにしている人も多数、という話であった。もちろん、郷土芸能「こだいじん」や「春駒踊り」のお披露目もあるそうな。期間は毎年10月中旬の6日間、次回はぜひ秋のうれしいめぐみを自身で味わいたいと思う。

■キノコ狩り
翌朝、キノコ採り名人と十数名の仲間と共に裏山の急な斜面を登りながらキノコ採り。
探しはじめてすぐに2株のクリタケを採集。うっかりすると滑り落ちるような斜面を這い登っていく。木の根元の曲がり具合はこの地域の積雪の多さを物語る。尾根近くになるとブナとミズナラの大木が目立つ。幹にもたれて一息入れるついでに、ブナの実の殻斗をむいて2粒味わう。今年はブナが多くの実をつけているそうで、「ツキノワグマが里に出てくる事態も減るだろう・・」と、名人のお話。

2時間ほどの山歩きを経て、十数名の収穫は、クリタケ、ムキタケ、ナメコ、キクラゲ、といった食べられるキノコ以外に、オレンジ色のチャワンタケ、赤色のベニテングタケ、サンゴに似たホウキタケ、その他十数種類と多種多彩。

名人の鑑定で食べられるキノコは味噌汁にして恐るおそる味わい、そのほかはキノコ図鑑を用いて同定した後、山に返した。毒キノコには、食べて一週間後に症状が現れるものもあると聞き、まだ油断できずにいるのだが、白川郷の秋のめぐみは、おなかにも心にもおいしい味わいだった。

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