日本のワイン発祥の地/勝沼町

日本のワイン発祥の地/勝沼町

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<トムソーヤクラブ通信Vol.109,2013/10/10,「ふれあいランド」より転載>

9月末の日曜日、ワイナリ―を訪ねて山梨県勝沼町へ出かけた。午前9時50分、いつも通りすぎてしまっていて、初めて降りる「勝沼ぶどう郷」駅。ブドウのシーズン真っ盛りという事もあって、駅舎からあふれるたくさんの人。「駅からワイナリーまではタクシーで10分ほどです」の事前案内を頼りにスケジュールを組んだのだが、乗り場には数十人の待ち人。5分様子を見るが1台のタクシーも来ない。ワイナリーツアーのスタート時刻まであと30分。

高台にある駅から盆地の底へ向けて歩くことを決断。同行の5人、下り坂をせっせと歩く。前後に人の姿はなく、両側にはほんのりピンク色の房がたわわに実るブドウ畑。吹き出る汗。駅へと向かう空車のタクシーが1台そして2台。結局、市街に降りてから1台のタクシーのお世話になり5分遅れてワイナリーツアーに合流した。まずは蔵の2階に設けられた部屋でワイン講座。出席者は私たちを含め12人。うち男性は私ともう一人の2人のみ。

途中見かけたほんのりピンク色のぶどうは甲州種。この地で栽培されてから1200年。国宝大善寺の薬師如来は右手に一房のブドウ、左手に宝印を持ったお姿。勝沼の本格的ワイン造りは1877年(明治10年)、町の青年2人がフランスへ留学しワイン醸造技術を持ち帰ってから。国内のワイン消費量は年間ひとり当たり約2リットル。お酒全体での割合はわずか3%。ちなみにフランス・イタリアのワイン消費量はひとり年間40リットル以上。このワイナリーでは甲州種の良さを生かしたワインづくりに情熱を傾けている。等々のお話を伺う。

講座の後はワイナリー裏手のブドウ畑を見学。そのまま食べる果物のブドウとワインのためのブドウづくりの違い、棚栽培と垣根栽培の利点弱点などについて学習。ブドウ畑に囲まれたワイナリーのたたずまいは、米どころに位置する造り酒屋と通じるところがあるなあと感じる。
その後は楽しみなテイスティング。ワインづくりにかける熱い想いを伺いながら甲州種を生かした白ワイン8種類ほどをおいしくいただいた。

ブドウづくりとワインづくりにかける熱い想いに触れてほてった身体に、「これからもワインをぜひ飲んでください。できれば国産のものを飲んでくださいね」の言葉が印象に残る勝沼行きだった。

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