キノコ狩り

キノコ狩り

<トムソーヤクラブ通信 Vol.51、1998/12/01、ふれあいランドより転載>

10月中旬、宮城県の北部、岩手秋田との県境に位置する栗駒高原を訪ねた。標高600メートルの高原を吹き抜ける冷涼な風のなか、紅葉した山々の遠景をうっとり眺める。翌朝、地元名人の案内でキノコ狩りに出かける。標高900メートルまで登山道をあがってから、ササにおおわれたブナ林の中、ヤブをこいでキノコを求める。

出発前、名人は「もし、はぐれたら斜面をとにかく下ること。標高差300メートルで必ず車道にぶつかる。両側を沢にはさまれたブナ林をおりていくので、沢に出会ったらそれを下れば大丈夫」と案内してくれた。はぐれた時の覚悟はできたが「えっ!そんなこと言わずにちゃんと面倒見てよ!」と6人の同行者一同、緊張の面持ち。

ブナの黄ナナカマドは赤と、山は美しい表情を見せてくれているのだが、うっかりすると前の人の頭がヤブの中に消えてしまうので、必死でヤブをかきわけて進む。

キノコ探しのポイントは、ブナの倒木と立ち枯れを見つけることだという。その通り、多くのブナハリタケ、うす茶のナラタケなどがびっしりと群生している。特にブナハリタケの様子は見事で、白い扇形のキノコが倒木の一面をまっ白におおって、良い匂いを放っている。他にバレーボール大のホウキタケ、ブナシメジ、カヤタケ、ムキタケなど多くの収穫を手にして、4時間ほどの山歩きを無事終えた。

宿に戻り、それぞれのキノコの下ごしらえをすませた後、ブナハリタケ、ホウキタケは油いために。ナラタケ、ムキタケなどはみそ汁にして食べた。「うまい!」山歩きを楽しみつつ、さらに自分たちで探しあてた山の恵みを味わえるとは、なんとぜいたくなことか・・・! 栗駒高原でのキノコ狩りは、二度おいしいのだ!

【追記】
1998年10月に訪ねた栗駒高原の耕英地区は、先の「岩手・宮城内陸地震」で大きな被害をうけました。心よりお見舞い申しあげ、一日も早い復興が遂げられるよう願っております。日本アウトドアネットワーク(JON)の仲間である”くりこま高原自然学校”も大きな被害を受けましたが、代表の佐々木さんを中心として復興に向けた努力を続けられています。現地の様子の一部は、佐々木さんのブログを通して知ることができます。
http://blog.canpan.info/master_kkns/
”栗駒高原の今” を多くの方に知っていただければと希望しています。
2008年6月30日 小山重幸(くま)

くまさんのおすすめスポットカテゴリの最新記事