「長野県・木曽郡上松町/きそぐんあげまつまち」

「長野県・木曽郡上松町/きそぐんあげまつまち」

<トムソーヤクラブ通信Vol.66,2002/09/15,ふれあいランドより転載>
○赤沢自然休養林
長野県南西部に位置する上松町(あげまつまち)は木曽ヒノキを中心とした林業の町。なかでも町の西部に位置する「赤沢自然休養林」は、木曽五木(ヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキ)が美しい風景をつくり、日本三大美林のひとつに数えられている。赤沢自然休養林は標高1,080~1,558mにまたがる、面積728平方Kmの地域。その歴史をみると江戸時代は尾張藩により、明治時代は御料林として、昭和になると伊勢神宮備林そして学術参考保護林として手厚く保護され結果、平均樹齢300年の美林が守られることとなった。
ここを開放して地域おこしの核にしたいという上松町の思いと、自然体験活動の拠点となる適地を模索していたトムソーヤクラブ。縁あってこの両者が出会い、1987年「トムソーヤクラブ村 木曽・上松」が誕生した。

○観光としての二つの形態
現在「トムソーヤクラブ村 木曽・上松」は赤沢自然休養林を舞台として二つの観光形態を成立させている。ひとつ目は、主に日帰りの旅行者を対象とした森林テーマパークとしての機能である。林内には森林浴を楽しめる7コースの散策道が整備され、森林資料館では森林浴の効用、自然観察案内、木曽の林業発達の歴史などがわかりやすく解説されている。また、大正4年から昭和50年までの60年間にわたり、木曽の山中で活躍した森林鉄道が、トムソーヤクラブ村開設に合わせて復活し、休養林内の1、1キロメートルをゆったりと走っている。このほか地元産ヒノキを使った木工教室、渓流での川遊びなど山の恵みをたっぷりと味わう体験活動を楽しめる。
ふたつ目は、小中学生を対象とした自然体験旅行の拠点機能。募集する旅は2泊3日~3泊4日の行程で実施。指導者が同行し、赤沢自然休養林で過ごす一日のほかに、林間ハイキング、野外炊事、夜の森の散策などの活動をプログラムしている。

○木材から木財(観光財)へ
赤沢自然休養林の入場者数はここ数年、年間11万人程度で推移している。開設前は4万3千人(1986年度)、開設初年度は6万8千人(1987年度)と比較して、交流人口の増加という観点からは効果的な取組みといえると思う。上松町での取組みは、木材生産地域において、それを材とするのではなく樹木として維持、保存することによって観光財となりえた好例である。
これからの季節、木曽の山々は美しい装いを見せてくれます。あなたもぜひ一度訪ねてみてくださいね。

※2012年「トムソーヤクラブ村 木曽・上松」の開設期間は、7月28日~8月19日を予定しています。詳しくは上松町観光協会のページ( ↓ )からどうぞ!
http://www.town.agematsu.nagano.jp/kankou/akasawa/trainInfo/train_info.html

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