斑尾高原、信越トレイル

斑尾高原、信越トレイル

<トムソーヤクラブ通信Vol.104,2012/04/26,ふれあいランドより転載>

斑尾山は長野県飯山市・信濃町、新潟県妙高市にまたがる標高1,382mの火山。今から40~30万年前に火砕流を流下して活動を終えたとされる。妙高山(2454m)、黒姫山(2053m)、戸隠山(1904m)、飯縄山(1917m)と共に北信五岳のひとつに数えられる。この北信五岳、地元では「まみくとい」という頭文字を並べた愛称で呼ばれているらしい・・・なお、まみくといの五岳のうち戸隠山以外は、みな火山である。

ここ斑尾高原に10年ほど通い続けていつも驚かされるのは大量の降雪。緑の季節に訪ねると、各戸に備えられた除雪用と思われるでっかいブルドーザーが「ちょっとオーバーなのでは・・・」と思えてしまうのだが、雪の季節の数日の滞在で「やっぱりこのサイズの除雪機材が必要ですね」と納得した。定宿の裏庭は崖状の下り斜面になっているのだが、冬は雪捨て場となり、結果、崖だった場所に広大な雪の広場が出現する。

さて、筆者世代には、派手なスキーヤーの集まる斑尾、ジャズフェステイバルの斑尾のイメージが強いリゾートでは今、斑尾山から菱ケ岳・天水山へと至る関田山脈沿いの「信越トレイル(総延長80km)」が注目を集めている。日本海海岸線から30km、長野と新潟の県境に位置する関田山脈は、かつて信濃と越後の人々の生活や文化を結ぶ交通の要所として16もの峠道を有していた。越後からは塩や海産物が、信濃からは内山和紙や菜種油が運ばれたという。標高約1,000mのこの山脈は、冬には積雪が8mを超える豪雪地帯であることも幸いして、原生に近い状態のブナ林など手つかずの自然が今もなお残されている。

この豊かな森が村人の生活を支え、村人はその恩恵に感謝し、今日まで森が守られてきた。この長野・新潟両県の境界にまたがるトレイルの整備はNPO法人信越トレイルクラブが主体となり、周辺地域の協力によって行われている。トレイル全部を歩いた人(全線踏破者)は、今のところ400人弱。早い機会に家族で訪ねたいと考えている。

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